○井川町職員の懲戒処分等に関する規程
令和6年4月1日
訓令第1号
(趣旨)
第1条 この訓令は、職員の非違行為等に係る懲戒処分又は指導上の措置(以下「懲戒処分等」という。)の量定に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この訓令において「懲戒処分」とは、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条の規定に基づき町長が人事通知書により、職員の非違行為に対して懲罰として行う次の処分をいう。
(1) 免職 勤務関係から排除する処分
(2) 停職 1日以上1年以下の間職務に従事させず、及び給与を支給しない処分
(3) 減給 1日以上6月以下の間給料の月額の10分の1以下に相当する額を給与から減ずる処分
(4) 戒告 非違行為に係る責任を確認させ、その将来を戒める処分
2 この訓令において「指導上の措置」とは、監督の地位にある者が非違行為に係る責任を職員に確認させ、将来を戒めるために行う次に掲げるものをいう。
(1) 訓告 任命権者名で文書により行う注意
(2) 厳重注意 任命権者通知に基づき、文書により行う注意
(3) 口頭注意 任命権者通知に基づき、口頭により行う注意
第3条 一般服務関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、別表第1のとおりとする。
2 公金等取扱い関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、別表第2のとおりとする。
3 公務外非行関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、別表第3のとおりとする。
4 交通事故、交通法規違反関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、別表第4のとおりとする。
5 監督責任関係において職員が非違行為を行った場合の標準的な処分量定は、別表第5のとおりとする。
(量定の決定)
第4条 町長は、次の事項のほか非違行為を行った職員の日頃の勤務態度、非違行為後の対応等を勘案し、総合的に懲戒処分等の量定を決定するものとする。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果
(2) 故意又は過失の度合い
(3) 非違行為を行った職員の職責及び当該職責と非違行為との関係
(4) 他の職員及び社会に与える影響
(5) 過去の非違行為
2 前項の規定にかかわらず、町長は、当該非違行為の内容が標準例に掲げる取扱いができないと認める場合は、当該標準例に掲げる量定を適用しないことができる。
3 町長は、非違行為が標準例に掲げられていない場合は、標準例に掲げる取扱いを準用し、量定を決定するものとする。
4 町長は、非違行為を行った職員が過去に非違行為を行い、懲戒処分を受け、再び非違行為を行った場合、又は服務上の事故報告を怠り、若しくは遅延した場合は、量定を加重するものとする。
5 町長は、事故等に至った経緯又は適切な事後対応及び管理監督者等への速やかな報告その他情状に特に酌量すべきものがある場合は、その程度によって、その懲戒処分等を軽減又は免除することができる。
6 懲戒処分を受けた者に対する定期昇給の取扱いは、次に掲げるところによる。ただし、町長が相当と定める期間を良好に勤務したと認められるときは、処分されなかった場合の号俸に昇給させることができる。
(1) 戒告 標準昇給号給の4分の3
(2) 減給 標準昇給号給の2分の1
(3) 停職 停職期間中又は停職期間終了後の直近の昇給時期には昇給しない。
(内部通報)
第5条 非違行為の事実を内部機関に通報した職員は、通報したことによるいかなる不利益も受けないものとする。
(処分の公表)
第6条 町長は、次の懲戒処分等を公表するものとする。
(1) 地方公務員法の規定に基づく懲戒処分
(2) 地方公務員法の規定に基づく刑事処分に関し起訴された場合の休職処分
(3) 特に町民の関心が大きい事案又は社会に及ぼす影響の著しい事案に係る指導上の措置
2 前項の規定にかかわらず、行われた懲戒処分等において被害者等が公表しないことを求めている場合は、公表しない。
(公表内容)
第7条 公表する懲戒処分等の内容は、原則として、被処分者の所属名、年齢、性別、処分内容、処分年月日及び処分理由とする。ただし、懲戒免職又は社会的影響が大きな事件で起訴等により氏名等が公にされている場合等にあっては、所属名、職名、氏名等を公表するものとする。
2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、公表の内容等の全部又は一部を公表しないことができる。
(1) 処分事案に係る被害者のプライバシー保護等の配慮が必要な場合で、被害者が公表を望まないとき、又は公表により被害者が特定されるおそれがあると認められるとき。
(2) 被害者又は被処分者が未成年であり、その健全な育成を図るうえで特別な配慮が必要な事案で、被害者若しくは被処分者又はその保護者が公表を望まないとき。
(公表の時期等)
第8条 町長は、懲戒処分等を行った場合は、速やかに公表するものとする。
2 前項の公表は、資料提供等により行うものとする。
(その他)
第9条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、令和6年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日前にされた処分事由となる非違行為については、なお従前の例による。
(自動車運転事故職員の懲戒の基準に関する規定の廃止)
3 自動車運転事故職員の懲戒の基準に関する規定(平成2年規程第1号)は、廃止する。
別表(第3条関係)
懲戒処分標準一覧
(別表1)
区分 | 非違行為 | 具体例 | 懲戒処分の種類 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
一般関係 | (1) 欠勤 | ・正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||
・正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||
・正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた場合 | ○ | ○ | ||||
(2) 遅刻・早退 | ・勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた場合 | ○ | ||||
(3) 休暇の虚偽申請 | ・病気休暇又は特別休暇について虚偽の申請をした場合 | ○ | ○ | |||
(4) 勤務態度不良 | ・勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||
(5) 職場内秩序を乱す行為 | ・他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | |||
・他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱した場合 | ○ | ○ | ||||
(6) 虚偽報告 | ・事実をねつ造した虚偽の報告を行った場合 | ○ | ○ | |||
(7) 秘密漏えい | ・職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | |||
・具体的に命令され、又は注意喚起された情報セキュリティ対策を怠ったことにより、職務上の秘密が漏洩し、公務の運営に重大な支障を生じさせた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
(8) 政治的目的を有する文書の配布 | ・政治目的を有する文書を配布した場合 | ○ | ||||
(9) 兼業の承認等を得る手続きのけ怠 | ・営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続き又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続きを怠り、これらの兼業を行った場合 | ○ | ○ | |||
(10) 入札談合等に関与する行為 | ・入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った場合 | ○ | ○ | |||
(11) 個人の秘密情報の目的外収集 | ・職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した場合 | ○ | ○ | |||
(12) 公文書の不適正な取扱い | ・偽造・変造・虚偽公文書作成、毀棄をした場合 | ○ | ○ | |||
・決裁文書の改ざんをした場合 | ○ | ○ | ||||
・公文書の改ざん・紛失・誤廃棄等をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
(13) セクシャル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動) | ・暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした場合 | ○ | ○ | |||
・相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、手紙、電子メール等の送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した場合 | ○ | ○ | ||||
・わいせつな言辞等の性的な言動を行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患した場合 | ○ | ○ | ||||
・相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った場合 | ○ | ○ | ||||
(14) パワー・ハラスメント | ・パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手に著しい精神的又は身体的な苦痛を与えた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
・パワー・ハラスメントを行ったことについて指導、注意等を受けたにもかかわらず、パワー・ハラスメントを繰り返した場合 | ○ | ○ | ||||
・パワー・ハラスメントを行ったことにより、相手を強度の心的ストレスの重積による精疾患に罹患させた場合 | ○ | ○ | ○ | |||
(15) 公務員倫理違反 | ・賄賂を収受し、又は要求、約束をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
・利害関係者から供応接待を受けた場合 | ○ | ○ |
(注) (13)及び(14)に関する事案についての処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮の上判断するものとする。
(別表2)
区分 | 非違行為 | 具体例 | 懲戒処分の種類 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
公金公物取扱い | (1) 横領 | ・公金又は公物を横領した場合 | ○ | |||
(2) 搾取 | ・公金又は公物搾取した場合 | ○ | ||||
(3) 詐欺 | ・人を欺いて公金又は公物を交付させた場合 | ○ | ||||
(4) 紛失 | ・公金又は公物を紛失した場合 | ○ | ||||
(5) 盗難 | ・重大な過失により公金又は公物盗難に遭った場合 | ○ | ||||
(6) 公物損壊 | ・故意に職場において公物を損壊した場合 | ○ | ○ | |||
(7) 失火 | ・過失により職場において公物の出火を引き起こした場合 | ○ | ||||
(8) 諸給与の違法支出・不適正受給 | ・故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した場合及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出するなどして諸給与を不正に受給した場合 | ○ | ○ | |||
(9) 公金公物処理不適正 | ・自己保管中の公金の流用等公金又は公物の不適正な処理をした場合 | ○ | ○ | |||
(10) コンピュータの不適正使用 | ・職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた場合 | ○ | ○ |
(別表3)
区分 | 非違行為 | 具体例 | 懲戒処分の種類 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
公務外非行関係 | (1) 放火 | ・放火した場合 | ○ | |||
(2) 殺人 | ・人を殺した場合 | ○ | ||||
(3) 傷害 | ・人の身体を傷害した場合 | ○ | ○ | |||
(4) 暴行・けんか | ・暴行を加え、けんかをした職員が人を傷害するに至らなかった場合 | ○ | ○ | |||
(5) 器物損壊 | ・故意に他人の物を損壊した場合 | ○ | ○ | |||
(6) 横領 | ・自己の所有する他人の物(公金及び公物を除く)を横領した場合 | ○ | ○ | |||
・遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を綱領した場合 | ○ | ○ | ||||
(7) 窃盗・強盗 | ・他人の財物を窃取した場合 | ○ | ○ | |||
・暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合 | ○ | |||||
(8) 詐欺・恐喝 | ・人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた場合 | ○ | ○ | |||
(9) 賭博 | ・賭博をした場合 | ○ | ○ | |||
・常習として賭博をした場合 | ○ | |||||
(10) 麻薬等の所持等 | ・麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした場合 | ○ | ||||
(11) 酩酊による粗野な言動等 | ・酩酊して、公共の場所や乗物において、公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をした場合 | ○ | ○ | |||
(12) 淫行 | ・18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対象として供与し、又は供与することを約束して淫行をした場合 | ○ | ○ | |||
(13) 痴漢行為 | ・公共の場所若しくは乗物等において痴漢行為をした場合 | ○ | ○ | |||
(14) ストーカー行為 | ・ストーカー行為をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
(15) 盗撮行為 | ・公共の場所若しくは乗物等において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした場合 | ○ | ○ |
(別表4)
区分 | 非違行為 | 具体例 | 懲戒処分の種類 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係 | (1) 飲酒運転事故等 | ・酒酔い運転をした場合 | ○ | ○ | ||
・酒酔い運転をして人を死亡又は傷害を負わせた場合 | ○ | |||||
・酒気帯び運転をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
・酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ||||
・酒気帯び運転をして人を死亡させ、又は傷害を負わせ、かつ救護等の措置義務違反をした場合 | ○ | |||||
・飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの) | ・人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ○ | ||
・人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた場合、かつ救護等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||||
・人に傷害を負わせた場合 | ○ | ○ | ||||
・人に傷害を負わせた場合、かつ救護等の措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||||
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反 | ・無免許運転をした場合 | ○ | ○ | ○ | ||
・著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした場合 | ○ | ○ | ○ | |||
・著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした、かつ物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした場合 | ○ | ○ | ||||
備考 1 「死亡」には、事故後24時間以内の死亡を含む。 2 「重篤な傷害」とは、概ね30日以上の入院治療(入院治療を要しないが同程度と認められるものを含む。)を要する傷害(事故後24時間経過後に死亡した場合を含む。) 3 著しい速度超過等の悪質な交通法規違反とは、次のいずれかの違反をいう。 ① 30km/h以上の速度超過(高速道路にあっては40km/h以上) ② 無車検運行 ③ 無保険運行 ④ 積載物重量制限超過10割以上(大型等) ⑤ 過労運転等(道路交通法第66条該当) |
(別表5)
区分 | 非違行為 | 具体例 | 懲戒処分の種類 | |||
免職 | 停職 | 減給 | 戒告 | |||
監督責任 | (1) 指導監督不適正 | ・部下職員が懲戒処分を受けるなどした場合で、管理監督者としての指導監督に適正を欠いていた場合 | ○ | ○ | ||
(2) 非行の隠ぺい、黙認 | ・部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認した場合 | ○ | ○ |