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第4回入賞作品
第4回 大賞 Grand Prix
アルミ・ステンレス・ベアリング/600×160×160
松本 薫 KAORU MATSUMOTO(兵庫県)
円錐の重心をその延長線上に移動することによって、トリッキーなバランスで、固有の風を受け動きます。
風は、自然を運び土を作り、人を運び文化を作りました。風は、その地のリズムで吹いています。そんな風を想う彫刻であればと願う。
第4回 優秀賞 Excellence Awards
井川ゴリ山
銅(内部)ステンレス320×580×450
安藤 泉 IZUMI ANDOH(神奈川県)
自然環境に恵まれた井川町と、広々とした桜の森公園は、大地の生命力とその豊かさを感じます。その大地のパワーを具現化した巨大なゴリラは、触ったり、よ じ登ったり、眺めたりして楽しめる彫刻です。部分的拡大表現により、子供たちの豊かな想像力を刺激します。また、保護動物でもあるローランドゴリラを身近 に感じることで、大自然の大切さと楽しさを地球規模の意識で体感してもらいたいのです。
「RELATION-有&無」
ステンレス・黒御影石/360×150×110
吉村 寿夫 HISAO YOSHIMURA(三重県)
「RELATION-有&無」は、桜の花びらのような自然形態表現としての曲線、人工形態表現としての直線、またステンレス・ワイヤーによる直線などの構成により、表・裏、有と無の対峙、テンション(緊張感)、対極の中の融合性、喜怒哀楽のドラマ性を表現した。
また、恵まれた自然空間に人間、自然、芸術が一体となった自然共生型物心一元論の精神文化の歓びを謳いあげた。
第4回 町民賞 Townspeople Prize
FAMILY-桜 花崗岩(黒)
中岡 慎太郎 SHINTAROH NAKAOKA(岐阜県)
春が来た。桜が咲いた。また、新しい一年がはじまる。さあ、みんな元気よく生きていこう。平穏な日々ばかりではないけれど、この「ファミリー」といっしょに、仲よく楽しく、笑顔を忘れずに。
「ファミリー」は、愛と平和のメッセージと同様、時代を越え、地域を越えた世界共通のテーマであり、私にとっても、これから常に発信し続けていきたい大事なテーマの一つです。
第4回 準賞 Recognition Awards
水の光景2003 ステンレス
信ヶ原 良和 YOSHIKAZU SHIGAHARA(京都府)
水の有る景色と造形との融和を意識しながら、花ビラや翼・船などを連想させる3枚のステンレスの揺れ動く形体を水面上に配置。磨き波打ったステンレス面に映る歪んだ風景と光の反射、そして風や波による形体の動きによって生まれる水面上の美しい情景。光・水・風などといった自然界の息吹を、造形を通して現した。無機的なイメージの強い金属という素材で、感情豊かで情緒的な作品を作ることを求めています。
花の雫 白銅
阿部 靖子 YASUKO ABE(新潟県)
花に宿る露が雫となって花を離れようとするとき、世界が360度のパノラマとなって映ってくる。その雫の形の美しさと周囲を取り込みながら生み出される新たな風景を表現しようとした。
春は桜を、桜は春を ブロンズ
濱野 邦昭 KUNIAKI HAMANO(山口県)
自然のもつ形の不思議さに、造形のヒントを得、一枚の葉のイメージから出発したもの。春、すべての生命が芽吹き、やがて花をつけ、実をつける。この時期に、魂の自由と大自然の不思議さを同時に感じる。春は、魂を揺さぶる自然の風。改めて言うまでもなく、自然の営みは人生そのものであり、すべての手本。そうした意図を持たせたこの作品と是非、対話をして欲しい。
時間軸-V- 赤御影石
原 透 TOHRU HARA(神奈川県)
「時間のもつエネルギーを視覚化する」ことが私の制作テーマです。石を作品の素材に選ぶのも、石が膨大な時間を蓄積しているからなのです。曲がった形を石にあたえるのは硬い石を軟らかく見せるためではなく、曲がって歪みのある形を彫ることにより、そのエネルギーを表現したいと考えているからです。そして、この作品のもう一つの制作意図はプレイスクラプチャーの要素をもつということです。パブリックな空間に置かれたとき、鑑賞者に見るだけではなく、自然に触れてみたいという気持ちを起こさせるものでありたいと想います。