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8月12日、ヨーロッパで皆既日食が見られた。皆既日食とは、太陽、月、地球が一直線に並ぶことで、太陽が月全体に隠れる天文現象だ。学生時代に、自分が40代半ばになる頃、スペインのイビザ島では海に沈みゆく太陽が皆既日食となると知り、これを現地でみることを夢の一つとしてきた。実は、今年に入ってから、どうにか行けないか考えたものの様々な事情により断念するよりなかった。
それでも今はSNSを通じて、現地にいる人が撮影した動画をすぐに見ることができる。太陽が隠れていく様子や、辺りが急に暗くなったときの人々の歓声や驚きなど、現地の空気まで伝わってくるような動画も多く、何とも嬉しい時代になったと思う。一つの場所だけではなく、街角や海辺、飛行機上からなど、さまざまな場所から撮られた皆既日食を追体験した。イビザ島ももちろんのこと。しかし、映像が鮮明であるほど、いつかはその場で、自分の目で見てみたいという思いも募る。
日本では、2009年7月22日に奄美大島北部、トカラ列島、屋久島などで、皆既日食が46年ぶりに見られた。しかし天候に恵まれず、期待したものではなかったと、現地に行けなかったからだろうか、それだけは記憶している。2012年5月21日には、九州、四国、近畿、中部、関東にかけて金環日食が観測されているが、私はたまたま出張で和歌山に滞在しており、朝、コンビニで買った日食グラスを手に空を見上げることができた。少しずつ月に隠れていく太陽が、午前7時半ごろ、くっきりとした輪になったことを覚えている。写真や映像で見るよりも、ずっと不思議な印象だった。
この経験があるからこそ、皆既日食も映像ではなく、自分の目で見てみたい。今後、日本では、2030年6月1日(土)に北海道の大部分で金環日食が、そして2035年9月2日(日)には、北陸から関東北部にかけて皆既日食が観測できる。本州での皆既日食は、実に148年ぶりとなる。秋田でも部分日食は観測できるが、私はどこで、空を見上げているのだろうか。今から楽しみでならない。